E-4 Voice Tweakerは、オート・ピッチやハーモニー、ボコーダー、ルーパー機能を備えたボーカル用の楽器です。基本的なボーカル調整からワイルドで強力なエフェクトまで、さまざまな機能を搭載。E-4は、スタジオやステージでライブボーカルの補正やシーケンス機能を活用したいアーティストに最適です。レコーディング時にボーカルのピッチ補正をしてDAWに送信したり、エフェクトを使用して斬新なボーカルサウンドを作成したりすることが可能です。さらに、E-4の可能性は音楽だけに留まりません。配信やチャットでのボイスチェンジャーとしても活用でき、可能性は無限に広がります。
GUIDE
E-4 Voice Tweakerについて
セットアップ、ピッチ/フォルマント
E-4のセットアップには、いくつかの方法があります。ダイナミックマイクを使用して、ユニットの前面にあるフォン入力に接続できますが、マイクにXLRジャックが付いている場合、変換アダプターや変換ケーブルが必要です。または、ヘッドセット・マイク付きの有線ヘッドホンやイヤホンを使用し、TRRS出力ジャックをE-4の1/8インチMIX OUTジャックに接続して使用することも可能です。接続したらSENSノブを使用して、適切な音量に入力レベルを調整してください。
ユニットの左側にある2本のスライダー・コントロールは、ピッチとフォルマントです。PITCHスライダーは、声を1オクターブ、または半音単位で任意に上下できます。FORMANTスライダーは、声のキャラクターの変化量を調整します。
"E-4は、基本的なボーカル調整からワイルドで強力なエフェクトまで、さまざまな機能を搭載しています。"
エフェクト
E-4は入力した音に対して複数のエフェクトを使用することができます。リバーブは、REVERBスライダーで調整可能です。VOCODERボタンを押したままREVERBスライダーを動かすと、エコー、ディレイ、またはコーラス・エフェクトに変更できます。VOCODERボタンを放すと、REVERBスライダーで選択したエフェクトの調整が可能です。
注 : ステレオ・スプリッターを使用して、マイク以外の音源からLINE INで入力し、E-4で調整することも可能です。これにはCTIA TRRSの Yケーブルが必要ですが、非常に有効です。これにより、基本的にあらゆる楽器をE-4に入力して、ハーモニーやルーパーを使用することが可能となります。リバーブやディレイ、スキャッター・エフェクトをシンセやドラムマシン、その他のラインレベルの音源に使用することができます。
オート・ピッチ
E-4のオート・ピッチ機能は、一般的なピッチ補正の他、ハードチューンのエフェクトとしても使用可能です。まずキーを設定します。HARMONYボタンを押したままPITCHスライダーを使ってLED画面に表示される目的のキーに調整します。スライダーの上部ではメジャー・キー、スライダーの中点は CHROMATIC で下部はマイナー・キーです。
キーを設定したら、ピッチ補正の深さ(エフェクトのかかり具合)を設定します。AUTO PITCHを押したままFORMANTスライダーで調整可能です。
注 : ロボット・ボイスのように意図的にピッチを固定することも可能です。AUTO PITCHを押したまま、PITCHスライダーを調整して別のオクターブに設定します。
"E-4のハーモニー機能は、入力したボーカルに最大3声のハーモニーを追加することができ、リアルタイムに伴奏を奏でることができます。"
ハーモニー
E-4のハーモニー機能は、入力したボーカルに最大3声のハーモニーを追加することができ、リアルタイムに伴奏を奏でることができます。ハーモニーはオートピッチと同じキー設定に従います。この機能により、単音の声をコードへと変えることができます。HARMONYを押したままFORMANTスライダーを調整して、LED画面に表示される目的のコード・ボイシングを設定します。
ボイシングは、選択したキーまたはスケール内でダイアトニックに移動します。ボイシングにはUpDownP5から-7thまで種類があり、好きなものを選択することができます。FORMANTスライダーを動かすと、選択したコード(-Oct、3rd、5thなど)が表示されます。
MIDI入力付きボコーダー
E-4には強力なボコーダーを搭載。のこぎり波や矩形波、パルス、ノイズにいたるまでそれぞれの波形に基づいた幅広いサウンドを生成できます。VOCODERボタンをオンにして、押したままFORMANTスライダーを使って選択することができます。
"E-4には強力なボコーダーを搭載、さまざまな波形に基づいた幅広いサウンドを生成できます。"
これらの波形によって、声のバリエーションは大きく異なります。例えばのこぎり波のキャリアー信号は、矩形波やノイズを使用した場合よりも「滑らかな」ボコーダー効果を得られます。さまざまな波形を試して、自分の声との相性や求めるサウンドに最適な波形を探してみてください。
これらを使ってHARMONYボタンを押すことで、ボコーダー・ハーモニーを追加することができます。先に述べたHARMONYセクションの手順に沿って、ボコーダーサウンドのコードを作成し、エッジの効いたコーラスや抽象的なサウンド・デザインを実現することができます。
外部MIDIソース
本体のコントローラーを使用するだけでなく、外部MIDIコントローラーでE-4のオート・ピッチやハーモニーをMIDIノートで制御することも可能です。AUTO PITCH、HARUMONY、VOCODERボタンを長押ししてメニューに入ります。次に、SCATTERノブを回して、外部MIDIデバイスのMIDIチャンネルに合わせて設定します。マイクに入力した音声が、外部MIDIコントローラーで制御できるようになります。
これは、オート・ピッチやハーモニーの正確なコントロールに有効な手段です。また、E-4のボコーダーをミックスに追加すると素晴らしいサウンドが得られます。J-6 CHORD SYNTHは、E-4の優れたコントローラーになります。コード入力の手間なくコードとフレーズのシーケンスによりメロディックなアイデアを簡単に作成できます。
ルーパー
ルーパーは、ミュージシャンにとって素晴らしいツールです。E-4の内蔵ルーパーは24秒まで録音可能で、オーバーダビングとUNDO/REDOを備えています。録音を開始するには、PLAY / RECORDボタンを1度押し、もう1度押すと録音を終了します。再生は、ループの長さに基づいて検出されたBPMに沿って開始されます。
オーバーダビングを行うには、再生中(緑)にPLAY / RECORDをもう1度押し、新しいレイヤーを録音します。ループ再生中のオーディオ入力は録音されません。これにより、既存のループに対してボーカルを追加することができます。PLAY / RECORDを長押ししてUNDO/REDOを、STOPを長押しして録音のクリアが行えます。
"ルーパーは、ミュージシャンにとって素晴らしいツールです。E-4の内蔵ルーパーは24秒まで録音可能で、オーバーダビングとUNDO/REDOを備えています。"
ルーパーは、SYNC入力、MIDI入力、またはUSBを介して、録音と再生の開始点と停止点を外部MIDIおよびクロックに同期させることができます。シンク・レートを調整して、ループの録音と再生が開始されるまでの時間を変更します。メニューに入りFORMANTスライダーを使用してシンク・レートを調整します。
注 : シンクを開始するタイミングは、クロックのシンク先によって異なります。外部 MIDI の場合、外部デバイスのスタート時にシンクが開始されます。SYNC IN(トリガー)を使用すると、録音ボタンを押すとシンクを開始します。
スキャッター・エフェクト
E-4のスキャッター・エフェクトは、入力およびループしたボーカルにテンポ同期した強烈なエフェクトをかけることができます。ノブを左から右に回すと、エフェクト・レベルが徐々に増加します。3種類のマークされた範囲で、オーディオにさまざまなスライスやパン、フィルタリング、ビットクラッシュ、ピッチエフェクトを行います。ノブを大きく動かすとダイナミックな効果が得られますが、より小さく、段階的に調整してみてください。これにより、つながりのある連続したタイプのグリッチ効果を得ることができます。
"E-4のスキャッター・エフェクトは、入力およびループしたボーカルにテンポ同期した強烈なエフェクトをかけることができます。"
スキャッター・エフェクトにはさまざまなバリエーションがあり、別の18種類のバンクにアクセスするには、AUTO PITCHを押したままSCATTERノブを回します。これらを使用して、実験的にボーカルの可能性を広げることができます。コンピューターでマウスを操作することなく、コンパクトなデバイスの大きなノブを操作するだけで、創造的な流れを止めずに、音楽を導きだすことができます。