AIRA Compactを知り尽くす:J-6 Chord Synth
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AIRA Compactを知り尽くす:
J-6 Chord Synth

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コード・シーケンサーJ-6 Chord Synthは、アルペジオやコード・リピート、リズム、ストラムなど多彩な機能により、コード進行とシーケンスを簡単に作成することができます。このユニークな楽器は、精巧でダイナミックなメロディック・フレーズを作成できる、非常にコンパクトな作曲ツールです。コンピューター、DAW、またはMIDIキーボードを使用することなく、好きな場所で、ダイナミックな変化に満ちた複雑な楽曲を作成できます。

GUIDE

J-6 Chord Synthについて

コード・セット  

J-6 Chord Synthはコード・シーケンスとメロディーをすばやく作曲するための機能を満載しています。まず、CHORDボタンを押してコード・モードに入ると、プリセット・コードがそれぞれのキーにマップされます。次に、SHIFT + CHORDを押して、GENRESと呼ばれる100種類の異なるコード・セットにアクセスすることができます。

ノブを回して、それぞれのコード・セットが持つさまざまな雰囲気やテイストを確認できます。ここには、ポップスやシンセ・ウェーブからジャズやネオソウル、R&B、ハウス、テクノなど、あらゆるジャンルで使用されるコード・セットが含まれています。コード・セットのリストについては、このマニュアルページを参照してください。各セットは、それぞれのジャンルの音楽的な特徴とフィーリングに溢れ、あなたの曲作りのアイデアを刺激するヒントが見つかるはずです。

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バンク   

次に、本体右側にあるONボタンを押して、フレーズ・バリエーションをオンにします。STYLEノブとVARIATIONノブを使用して、キーボードで演奏できるさまざまなフレーズやアルペジオを選択することができます。各STYLEバンクには、選択したGENREのアルペジオとコード・リズムのバリエーションが12種類含まれています。スタイル1と2には、さまざまな速度で上下するアルペジオ・パターンが入っています。バンク3、4、5は「ビート」スタイルで、三連符やさまざまなシンコペーションなど、アルペジオを使用しないリズミカルなバリエーションが入っています。  

"J-6には、単純なリピートから精巧で複雑なコード・フレーズまで、多くの刺激的なオプションを搭載しています。"

バンク6から9は「フレーズ」スタイルであり、シンプル、リズミカル、そしてストラムのコード・フレーズの順でバリエーションが入っています。J-6には、単純なリピートから精巧で複雑なコード・フレーズまで、多くの刺激的なオプションを搭載しています。これらのオプションのリストについては、このマニュアルページを参照してください。最適なスタイルが見つかるまで、何度でもスタイルとバリエーションを試してみてください。

パターン・シーケンサー  

続いて、パターンの作成を始めましょう。PATTERNを押したまま、1〜8のパターンボタンを押して8つのバンクから選択します。パターン・バンク 1 と 2 には 16種類のプリセット・パターンが入っていて、バンク 3 から 8 は空白です。バンクを選択したら、PATTERNボタンを放し、ボタン1〜8を使用してパターンを選択します。パターンの各小節には、音符とその小節に対して選択したスタイル/バリエーションが含まれます。CHORD機能を使用してノートを入力するか、単音またはコードをキーボードで入力することができます。パターンの長さを設定するには、Shiftキーを押しながらF(LAST)を押して設定します。

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パターンのスタイルとバリエーションを選択し、各ステップでコードを入力しましょう。再生しながらスタイル/バリエーションを変更して、入力したすべてのノートに対してさまざまなフレーズを試すことができます。また、個々のスタイルとバリエーションの組み合わせをステップごとにプログラムすることも可能です。これを行うには、ステップを選択し、スタイル/バリエーションをオンにして、該当のステップに割り当てるだけです。必要に応じて設定を変更し、さまざまなバリエーションをパターンごとに設定することが可能です。

"J-6は単体でも強力な作曲ツールですが、他のハードウェアやソフトウェア・シンセと組合わせることで、さらに創造的な可能性が広がります。"​​

ヒントとコツ 

ここでは、シーケンスを入力する際のヒントをいくつかご紹介します。ステップを押したまま再生を押すと、押したステップからパターンを再生します。これにより、毎回パターン全体を聞かずにステップをプレビューすることができます。同様に、いずれかのステップにスタイル/バリエーションを割り当てた場合、[スタイル/バリエーション] を [オフ] に設定したステップは、前のステップの設定に従います。最後に、コード・シーケンサーの各小節の長さを「1-4」(16分音符)から「8」(8拍)まで変更できます。これにより各小節の拍数が変わり、シーケンス全体の長さが変わります。設定方法は次のとおりです。  

  • メニュー(SHIFT+MENU)に入ります。
  • TEMPO/ VALUEノブを回してBEATに合わせます。  
  • ENTERキーを押します。
  • 値を設定します
  • EXITを押します。

このようにして、短いリピートのシーケンスから最長64拍まで、幅広いスケールが設定できます。

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JUNO-60サウンド・エンジン   

強力なシーケンサーであることに加えて、J-6は素晴らしいサウンドの4ボイスポリフォニックシンセサイザーです。ローランドのアナログ回路動作(ACB)テクノロジーを使用して、それは本質的に伝説的なローランドJUNO-60の手付かずのレクリエーションです。オンボードキーボードを使用するか、USBまたはTRS接続を使用してDAWまたは外部コントローラーからMIDI経由で再生できます。  

J-6は、フロントパネルの明瞭なコントロールを使用して、多数のパッチを作成することができます。FILTERノブを使用してカットオフを調整し、SHIFT + FILTERノブでレゾナンスを調節してサウンドを形作ります。ENVELOPEノブを使用してディケイ/リリースの長さを調整したり、SHIFT + ENVELOPEノブでエンベロープのアタック・タイムを変更したりすることができます。  

"RolandのAnalog Circuit Behavior (ACB)テクノロジーを使用したJ-6は、Rolandの象徴的なシンセサイザーJUNO-60のレクリエーションを再現しています。"

エフェクト 

J-6に搭載したディレイとリバーブでサウンドを劇的に変えることができます。エフェクト・ノブを回してエフェクトのレベルを変更します。SHIFT + DELAYノブでディレイ・レートを調整、SHIFT + REVERBノブでリバーブのタイムコントロールを調整可能です。ディレイをパターンのテンポに同期させることもできます。

  • SHIFT + MENUを押します。
  • TEMPO/VALUEノブをDELAY SYNC(D.Syn)に合わせます。
  • ENTERを押して DELAY SYNCをオンにします。

ディレイのリピートをトラックのテンポと同期させるか、独立させるかを選択できます。  

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MIDIコントローラー  

J-6は単体でも強力な作曲ツールですが、他のハードウェアやソフトウェア・シンセサイザーと組合わせることで、さらに創造的な可能性が広がります。USBケーブル1本でPCと接続してDAWに使用したり、TRS MIDIケーブルでMIDIポートを備えた外部のシンセサイザーに接続したりすることが可能です。

: すべてのAIRA CompactはMIDI TRS TYPE Bケーブルを使用します。TYPE Aケーブルでは機能しません。  

こちらのBOSS B-CABLEの使用をお勧めします。キーボードを使用して手動で演奏するか、CHORDモードに切り替えて、ボタン一つでシンセサイザーにコードを送信することができます。もちろんシーケンサーを使用して、シンセで楽曲を再生することも可能です。J-6を作曲用のポータブルなスケッチパッドとして使用することで、膨大なコンテンツを、あらゆるスタジオにシームレスに導入できます。  

"ライブボーカルと一緒にJ-6のコードやフレーズを演奏すると、歌手やプレーヤーのメロディックなアイデアを惹きたてることができます。"

伴奏ツール  

最後に、J-6は強力な作曲ツールであることに加えて、ボーカリストやミュージシャンの伴奏用ツールとしてもインスピレーションを与えることができます。ライブボーカルと一緒にJ-6のコードやフレーズを演奏すると、歌手やプレーヤーのメロディックなアイデアを惹きたてることができます。  

MIDI経由でRoland E-4 Voice Tweakerと組み合わせることで、ボーカルとのコラボレーションをさらに高めることができ、メロディックでハーモニックなアイデアでE-4のボコーダーをコントロールできます。J-6は、Roland SP-404MKIIなどのサンプラーとの使用にも最適です。コードやメロディックなフレーズをサンプリングして、素材をチョップしたり、ピッチを変えたり、歪ませたりと可能性は無限に広がります。  

AIRA Compactについて

Evan Shamoon

Evan's work has appeared in a host of print and online publications, including Rolling Stone, Wired, The Fader, and Tenderly.