50th Anniversary Concept Model
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終わらない未来:
ローランド・ピアノの歴史

伝統的なアコースティックピアノとその歴史を尊重しながらも、斬新なサウンドや、楽器のデザインを探求し続けてきたローランド・ピアノ。本記事では、ジャーナリストAdam Douglasがさまざまなキーパーソンとの取材を通して、これまで50年の歴史の中で歩んできた電子ピアノのハイライトをご紹介します。さらに、世界中のピアニストを熱狂させる新たな魅力をもった50周年のコンセプトモデルをこっそり見てみましょう。

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1973 年以来、ローランドは一貫して電子ピアノをはじめとする、あらゆる電子楽器の限界を突破してきましたなるリアリズムを追求する開発意欲と、伝統的なアコースティックピアノとその歴史を尊重しながら、これまでになかった斬新なサウンドや、楽器デザインまでを探求し続けてきましたさて、これまでローランドが50年の歴史の中で歩んできた電子ピアノのハイライトをいくつか見てみましょう。さらに、世界中のピアニスト熱狂させる新たな魅力をもった2022年最新コンセプモデルをこっそりお見せします。 

Early Roland Pianos
最初のピアノ 

西暦1700初頭に、メディチ家の従業員であったバルトロメオ・クリストフォリは、ピアノを発明したことで知られています。ハープシコードとクラヴィコードを改良し、ハンマーを使用して弦を叩くメカニズムを発明しました。これにより音の強さ、音の持続、の大きさ組み合わせが可能になり、新しいレベルの表現力を可能にしました。この楽器が発明された当初、イタリア語でピアノフォルテ、またはソフトラウドと呼ばれていた所以はここにあります。

ここからローランドの創業1972年まで時代を一気に270近く早送りします。1973年、ローランドは2つのシンセサイザー(SH-1000とSH-3)とともに、国産初の電子ピアノであるEP-10とEP-20をリリースしました。それらは頑丈で信頼性が高く、ここからローランドの継続したピアノ開発スタートました。 

ダイナミックなイノベーション 

翌年、ローランドはEP-30を発表しました。これは鍵盤による音の強弱が付けられる世界初の画期的な電子ピアノでした。それまでの電子ピアノはまだアコースティックピアノと比較して表現力大きな課題がありました。しかしEP-30の登場で、とうとうプレイヤー感情サウンドとして表現できるようになりました。270年前バルトロメオ・クリストフォリが最初のピアノをイタリアで発明した時に実現した表現力電子ピアノがやっと到達したのです。 

しかしながらEP-30のサウンドと機能クリストフォリを驚かせたかもしれません。 4つのプリセット・ピアノ・サウンド2つのピアノと2つのハープシコードに加えベースサウンドを備えたEP-30は、ロックミュージシャンがステージで使うほど本格的したさらなるピアノ体験を望むピアニスト達は、テクノロジー進化んでいましたが、そんな彼らも大きく心配する必要はありませんでした。なぜなら、ローランドエンジニアたちは、たゆまぬ未来への研究開発の手を休めなかったからです。 

"1974年、鍵盤による音の強弱が付けられる世界初の画期的な電子ピアノEP-30を発表。プレイヤーはその感情をサウンドとして表現できるようになりました"

さらに 

ローランドのピアノは次々と革新を遂げていきました。70年代から80年代になると、技術進化と相まって、それまで想像もできなかった多彩な製品バリエーションを展開していきました。 

ピアノをポータブルな楽器と考える人は滅多にいないでしょう。ローランドでは、この大きくて持ち運びができないピアノという楽器をEP-11 Piano Plus 11で軽量化することに成功しました。EP-11は、スピーカーとアナログ・ドラムマシンを内蔵したエレクトリックピアノでした。

1983年MIDIが誕生し楽器業界で大きな旋風を巻き起こします。これは、ローランドシーケンシャル・サーキットによって共同開発された新しいプロトコル、この業界基準により、さまざまなメーカーの電子楽器が相互に接続できるようになりました。同年、ローランドは、MIDIを搭載した最初の家庭用ピアノHP-300とHP-400を発表しました。その時の本体とスタンドの2ピースキャビネットデザインは、のち業界標準となりました。 

Roland Pianos Factory Shot

"1986年に、RD-1000 Stage Pianoが登場。この画期的な製品は次世代の電子ピアノの礎を築きました"

RD-1000
デジタル革命

実はローランドは電子ピアノという用語を使ことを避けてた歴史があります。これらの楽器の心臓部デジタル回路こそありましたが、音の合成はアナログだったからです。これが、1986年、RD-1000 Stage Pianoの登場によって一変します。この画期的な楽器は、次世代の電子ピアノの礎をいたのです 

1980年代半ばまでに、デジタルシンセシス電子楽器の世界で確立されました。ドラムマシンとシンセサイザーは、その新しい世界から大きな恩恵を受けました。その流れを受け電子ピアノサウンドをよりリアルなものにするためデジタルサンプリング可能性を見出しました単純なサンプル再生は、ミュージシャンの演奏ニュアンスや楽器の複雑さを捉えることができませんでした。そこでローランドStructured Adaptive Synthesis、通称SA音源を開発しました。

開発に1年以上を費やした後、リードエンジニア(後ローランドCEO) である三木純一氏は、ピアノのさまざまな要素再現しました。SA音源サンプリングをベースに、各のさまざまなハーモニクスやノイズを再合成するアルゴリズムを採用。それはデジタル革命の啓示とも言えましたローランドは、このコンセプトを将来のサウンド合成設計にも取り入れました。 

このRD-1000はすぐにヒットしエルトン・ジョンツアーで採用、世界中で演奏されたことが知られていますそしてローランドすぐに浜松に専用生産工場るほどの成功を収めましたその後何年かの計画ののち本社を静かな湖畔の町に移転させました。 

"V-Pianoでは、ピアノの可能性を根本的に再解釈しました。ピアノのすべての要素をモデリングすることにより、これまでのピアノの概念を自由に解き放ちました"

比類なきリアリズム

SA音源は、RD-1000ステージピアノのみならず、HP-5500やHP-5600などの家庭用ピアノにも採用されました。その音は非常にリアルで、アコースティックピアノメーカーは、ローランド製品がビジネスの競合になるのでないかと心配するほどでした。 

SA音源がどれくらいリアルだったか?ローランドは、自社の電子ピアノが単なるアコースティックピアノの代替品ではなく、ひとつの確立した楽器と考えました。これを証明するために、1991 年にはフルアコースティックオーケストラによる東京・サントリーホールでの公演においてアコースティックピアノの代わりにローランドHP-7700が演奏され、コンサートは大成功を収めました 

完璧に近づくコンセプト 

バイオリンと同様に、人々は過去300年間近くかかって、ピアノを完成した楽器として仕上げましたそんな完璧な楽器それ以上進化させられるのでしょうか?物理的制約を考えるとそれは不可能かもしれませんこの課題にデジタルでアプローチすればどうでしょう?んな発想で2009年V-Pianoが誕生します

V-Pianoは、ピアノの可能性を根本的に再解釈したもので。ピアノのすべての要素をデジタルで設計・形成モデリングすることによ楽器形状と機能独立したものとして考えることができればもはや物理的なサイズや形は重要ではありません。プレイヤーはピアノを構成する素材を変えることさえできまこのようにV-Pianoに搭載された技術は、これまでのピアノ概念を自由に解き放ちました。 

Orchestra

「もしバッハやモーツァルトの時代にV-Pianoが存在したら、彼らの著名な作品は全く異なる曲になっていただろう」

V-Piano

ローランドエンジニア菊本忠はこう説明します。V-PianoはPCMサンプリングを使用するのではなく音色を構成する物理的要素、たとえば、弦 、フレーム響板、ケースなどの硬さや強さ分割してモデリングし、再結合することで、非常にリアルなピアノ音を作成できるのです」 

バランスを取る

 「V-Pianoにはピアノ弦を銀弦にできる設定があります。実際には、銀の比重は一般的な生ピアノで使われている銅線よりも重いので、弦を叩くハンマーを大きくする必要があります。そうすると鍵盤のタッチ重くなりすぎて人間には弾けないものとなってしまうのです」そう菊本氏は語ります。「しかし、V-Pianoならこのような創造性をサウンドで忠実に再現することができ、重く太い銀のピアノ弦から、きらびやかな音を出すことができるのです」 

これら要素のバランスを適切にとることはエンジニア課題でした。 「音を構成する成分の分解、再構成は困難でした」と菊本氏は説明しますしかしこの困難を乗り越えるだけの価値はありました。 このV-Pianoのリアリズムは、多くのプロピアニストを驚かせました。日本を代表するクラシックピアニスト、横山幸雄氏が語ったことは強く印象に残っていますもしバッハやモーツァルトの時代にV-Pianoが存在したら、彼らの著名な作品は全く異なる曲になっていただろう」 

"日本の木製家具ブランドであるカリモクとのコラボレーション製品として誕生したKIYOLA。その美しさは、ニューヨーク近代美術館MoMAがアメリカで独自で販売するほどです"

音楽と芸術の融合

ローランドの最も有名なキャッチフレーズのひとつ「We design the future」がありますこのフレーズが製品の技術に言及していることは間違いありませんが、楽器の外観にも通じるものがあります例えば2015年発売のKIYOLA KF-10は、日本の木製家具ブランドであるカリモクとのコラボレーション製品として有名です内部には、V-Piano音源の第2世代にあたる「SuperNATURAL Piano Modeling音源という最先端技術を搭載しつつも、外側は木の温もりを生かした自然な芸術作品に仕上がっていますこのピアノの芸術性に感化されたニューヨーク近代美術館MoMAがアメリカでは独自で販売するほどの美しさなのです 

洗練されたこのデザインは、電子ピアノ市場と顧客の声から生まれました木製フレームの提案についてローランドとブレインストーミングを行いインテリアの一部として生活に自然に溶け込むデザインを目指しました」とリモク家具株式会社の藤森孝彦氏は説明します。見るだけでも心地よいアームチェアのようなデザイン。そのために、キーボードと電子ユニットを収めた筐体をスリムなフレームで挟み込む構造を徹底的に研究開発しました」。 

KIYOLA

「ピアノを弾くことで、集中力や創造力の楽しさを感じていただきたいと思ってます。同時に、木のぬくもりを感じ、心地よい体験をしていただければ嬉しいです」

The Facet Grand Piano
創造の喜び

もちろん、KIYOLAは眺めているだけのものではなく、実際の演奏性も両立した設計となっています。 「ピアノを弾くことで、集中力や創造力の楽しさを感じていただきたいと思ってます。同時に、木のぬくもりを感じ、心地よい体験をしていただければ嬉しいです」と藤森氏は強調します 

外観や美しさが称賛されたローランドピアノはKIYOLA KF-10だけではありません。 LX700シリーズは国際的なデザイン賞である「iFデザイン賞2019」「レッドドット・デザイン賞2019」を受賞、HP704 はシカゴ アテナエウム建築デザイン博物館からグッドデザイン賞を受賞、2021年のF701はレッドドットデザイン賞を受賞するなど次々とその美しさが認められています 

クラシックとは?

2020年にその姿を現したGPX-F1 Facet Grand Pianoをひと目見れば、「特別な何かを目の前にしていることに気づくでしょう。角ばっていてミニマル、そして開放感のある外観が魅力的なFacetは、従来のクラシックグランドピアノのあるべき姿を大胆に再発明したものです。そういった新しい楽器への発想こそがローランドらしいと言えます。

Facetは、2015年に開催した「Digital Piano Design Awards」から始まりました。コンテストの受賞者である韓国のJong Chan Kim氏はこう伝えます。多面体で構成されたクリスタルのような美しさをモチーフにデザインしました。Facetという名前は、複雑にカットされ美しく輝く宝石を意味しています。 

もちろん、それは美しいフレームだけではありません。Facetの内部には、ローランドのピュアアコースティック・ピアノ音源とマルチスピーカーアコースティックプロジェクションシステムを、このコンセプトモデルのために最適化して搭載していますこれにより、アコースティック・グランドピアノには不可欠な響板が不要になりました。また、Android対応のディスプレイにより電子譜面の表示や動画によるレッスンアプリでの作曲をサポート。またAmazon Alexa(アレクサ)の音声コントロールによりピアノから曲を再生できるようになるなど様々なデジタルならではの機能も兼ね備えており、まさに現代に再構築されたピアノと言えるでしょう 

「ステージ上のすべての光を吸収して輝くFacetは、まるで映画フィフス・エレメントのエイリアン・オペラの様に見えたよ」

現代のアイコンとして

コンセプトモデルであるFacet通常の商品として発売されていませんが、多くの著名アーティストがこの印象的なピアノを大観衆の前で演奏しています。米国のR&BシンガーH.E.R.は、2020年のグラミー賞のステージでFacetを演奏し彼女の力強いパフォーマンスを映し出すその姿全世界のオーディエンスを魅了しましたまた、ミュージシャンのジョン・グラントは、グレース・ジョーンズのメルトダウン・フェスティバルでFacetを演奏しました。彼はFacetを賞賛し、「ステージ上のすべての光を吸収して輝くFacetは、まるで映画フィフスエレメントのエイリアンオペラの様に見えたよ」。 

さらにグラントは、ローランドのピアノへの愛着を次のようにまとめています。自分の理想とする演奏ができなかったり音が聴こえなかったりすることで本来のクリエイティブなプロセスが削がれてしまうのが嫌なんだ自分にとっローランドのピアノは、あるべき本当のピアノの姿であり、それが僕がずっと演奏していられる理由なんだ。」 

ローランドピアノの進化まらない

このように、創業50 周年のタイミングでこれまでのマイルストーンを振り返るのはごく当たり前のことですしかし、ローランドは常に未来を設計してきたブランドですローランドは、50周年を記念した新たなピアノの開発に取り組んでいます。この挑戦は、ローランドのピアノが今どこにあり、これからどこへ行こうとしているのかを象徴するコンセプトモデルになります。「私たちのピアノは常に進化し続けていることを、お客様にお伝えしたい」。ピアノ開発責任者の北川氏がそう語ってくれました。 

「この50周年コンセプトモデルでは、最先端のサウンドシステムを開発・搭載しました。また、1973年に誕生したEP-10をはじめ、RD-1000、JD-800、V-Piano、SuperNATURALなど、ローランドの歴史において著名なピアノ音色をすべて搭載しており、電子ピアノ登場以降の技術の進化を追体験できます。」 

50th Anniversary Concept Model

「この50周年コンセプトモデルでは、1973年に誕生したEP-10をはじめ、RD-1000、JD-800、V-Piano、SuperNATURALなど、電子ピアノ登場以降の技術の進化を追体験できるのです」

50th Anniversary Concept Model

それは単に過去の栄光を再現しただけに留まらず、新しい技術の集大とも言えます北川氏は続けます。 「2018年に発表されたピュアアコースティック・モデリング技術から始まって2020 年もFacetを通じてモデリング技術を磨き続けてきました。より複雑で高度なモデリングとマルチチャンネルスピーカーがリアルなピアノサウンドを生み出します。今回、革新的なキーボードセンシングアルゴリズムも全く新規で開発しました(特許出願中)。その結果鍵盤タッチはこれまで以上に自然なレスポンスを実現できています 

直面する課題

この50周年コンセプトモデルには解決しなくてはならない課題もたくさんありました特に、時代が異なる音源方式のピアノサウンドを一台に集約・搭載することは特に困難を極めましたつまり、すべての時代のサウンドをこのピアノの内蔵サウンドシステムを介してリアルに再現させる必要がありました。「当時の音色のままで聴こえるようにすることが、このプロジェクトの難所のひとつでしたキーボード開発部長の村井氏が打ち明けますこのため、現開発チームは、”原音を知り尽くした歴代のサウンド・エンジニア達を訪ね、彼らのフィードバックをもとに、試行錯誤の末とうとうそれを現世に蘇らせたのです 

50周年コンセプトモデルの独特な木製ボディ設計にも各所で挑戦が見受けられます村井氏によると、「一体成型のボディは非常に剛性が高いため原音に忠実なスピーカードライバーを実装することができました。これが期待通りの音色と音場を作るのに大いに役立ちました」 

ピアノのキャビネットはこの壮大なピアノ設計に最適である必要があります。ローランドはKIYOLAでコラボレーションしたカリモクを訪ね、再びこのプロジェクトへの協力を求めました。 

「50周年コンセプトモデルは、これまでにないラウンド型の印象的なフォルムと、グランドピアノの音響性能を兼ね備えた、まさにコンセプト通り“未来のホーム・グランドピアノ”なのです

未来のグランドピアノ

2015年のKIYOLAのコンセプトは、「温かみを持った天然木が人とつなぐピアノとして、インテリアに溶け込むピアノでしたが、50周年コンセプトモデルは、これとは異なる別のアイデアに基づいて設計されています。このモデルのコンセプトは、今日までの創造性と進化の過程に加え、これからの新しい楽器の可能性を調和させた「未来のホーム・グランドピアノです。このモデルの外観デザインを見れば常に理想の電子ピアノを追求してきたローランドの情熱人のライフスタイルや素材にこだわったカリモクの情熱が切磋琢磨していることを伺い知ることができるでしょう 

滑らかで流れるような天然素材は伝統的で豊かな表情を見せながらも、一方で因習にとらわれないモダンで革新的なフォルムを持ち、プレイヤーの目、耳、指を刺激します。 「50周年コンセプトモデルは、これまでの箱型のピアノの様に部屋の隅や壁に背面を合わせて設置されるデザインではありません。ラウンド型の印象的なフォルムと、グランドピアノの音響性能を兼ね備えまさにコンセプト通り“未来のホーム・グランドピアノ”なのです」。 

伝統と未来の融合

この50周年コンセプトモデルの設計には過去と未来が融合しひとつになるというメッセージが込められてますカリモクの藤森氏次のように語りす。各部パーツ組み合わせ形成すKIYOLAとは対照的に、今回のコンセプトモデルは、小さな木片をデジタル解析し、専用機器を用いてカット、それらをレイヤー的に積み重ねていくことで一つのボディを成形しました。これは、高精度に断面を作り積層する3Dプリンターの考え方や、木目の動きなどの特徴を生かした古来の仏像の製造方式取り入ています 

「ピアノを演奏するすべてのお客様に、デジタルやアコースティックの概念を超えて、純粋にピアノとしての自然な演奏と美しさを楽しんでいただきたい」​

50th Anniversary Concept Model

カリモクグループにとって常に事業のコアにあるのは、SDGs(持続可能な開発目標)です。この50周年モデルでは、北海道産のナラ材の硬くて重いという素材の特性をフルに活かす木組み構造を採用しています。また、主に紙の原材料として使用される、間伐などですでに伐採された小径のナラ素材を使用しています。そして、このピアノはその時々の技術を取り込み、中身をアップデートしていくことができるので、この美しいキャビネットを一級品の家具として長く受け継ぎながら、常に最新の電子ピアノ体験をすることができるのです 

終わらない未来

「デジタルやアコースティックの概念を超えて、純粋にピアノとしての自然な演奏と美しさを楽しんでいただきたい」と北川氏は強調しますピアノを演奏するすべてのお客様に過去から現在、そして未来へ繋がるテクノロジーの進歩を体験してもらいたいのです」そのために、50周年コンセプトモデルは、より多くの方に観て、聴いて、触れて、そして信じてもらうべく世界中を回る予定です。 

この先もずっと続き終わることがない未来と同様にローランドのピアノはこれからも進化を続け、完成することはありません。ローランドはこれまでも、そしてこれからも常に終わらない未来をデザインし続けているのです 

Adam Douglas

Adam Douglas is a prolific journalist and educator based in Nagoya, Aichi, Japan. His work appears in Attack, MusicTech, and elsewhere.